アニメ主題歌をレコード会社別に集計してみた【2020年春アニメ版】

2020年4月13日2020春アニメ, コラム2020春アニメ, コラム

はじめに

これまでひたすら各クールの主題歌をリストにしてきましたが、長年見続けているといろんな変化があるなと感じています。

そのうちの一つが、アニメ主題歌を発売するレコード会社です。アニメ主題歌をリリースしているレーベルは大体決まっていることが多いのですが、90年代後半頃からいわゆるJ-POP系のアーティストが主題歌を担当することも増え、様々なレコード会社がアニメ主題歌をリリースするようになって来ました。

近年ではアニメ主題歌・アニソンもバリエーションが様々に増え、いろんな音楽ジャンルとのクロスオーバーも見受けられるようになりましたが、その傾向はレコード会社やレーベルの色があるように思えます。

そこで、本稿では2020年春アニメをレコード会社別に集計してみることにしてみました。
どこまで意味が出てくるかは集計してみないと分かりませんが、しばしお付き合い下さい!

ルール

集計にあたっては、下記をルールとします。
・本サイトの一覧の中から、「新規」の作品に絞ります(今クールで主題歌が変更になっていないものはリスト化していないので)
・基本1作品1ポイントとします(OP:0.5ポイント、ED:0.5ポイント)
・5分などの短尺アニメで主題歌がOP・EDどちらかしか存在しない場合は0.5ポイントとします
・レコード会社としては、明らかに同系列であるレコード会社は合わせて集計します
(ソニー系列のSACRA MUSICなど)

それでは、はりきってスタート!

ソニーミュージック系(アニプレックス、SACRA MUSIC含む)

SACRA MUSIC
「SACRA MUSIC」公式サイト より

いわずとしれた大手レコード会社、ソニーミュージック。近年ではアニメ制作会社のアニプレックスや、アニソン系アーティストが多数所属するSACRA MUSICを筆頭に、多数のアニメ主題歌を各クール送り出しています。
一般アーティストのタイアップでリリースされるのがソニーミュージック、アニソン系アーティスト(リリースするシングルにほぼアニメかゲームのタイアップが付いている)がSACRA MUSICという分け方ですかね、ざっくりと。
とにかく勢いがありますし、ヒットも飛ばし続けている同レーベル。SACRA MUSICのLiSAが紅白歌合戦に出場したり、Aimerが一般作品でもヒットしたりとアニソンシーンだけに留まらないポテンシャルをひしひしと感じます。

ソニーミュージック

作品対象
波よ聞いてくれOP・ED
白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE(※)OP・ED
神之塔 -Tower of Gods-OP・ED
かくしごとED
ガル学。~聖ガールズスクエア学院~OP・ED
ハクション大魔王2020OP・ED
かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~OP・ED
富豪刑事Balance:UNLIMITEDOP・ED
ねこねこ日本史(第5期)OP・ED
合計8.5

(※)「白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE」のOPはソニーミュージックの西川貴教とSACRA MUSICのASCAの連名名義ですが、ここでは便宜上SONY MUSIC扱いにしました。

SACRA MUSIC

作品対象
ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld(最終章)OP・ED
銀河英雄伝説 Die Neue TheseOP・ED
邪神ちゃんドロップキック’OP・ED
ガンダムビルドダイバーズRe:RISE 2nd SeasonOP・ED
シャドウバースOP
合計4.5

ソニー系合計

レコード会社ポイント
ソニーミュージック8.5
SACRA MUSIC4.5
合計13.0

エイベックス系

エイベックス・ピクチャーズ
「エイベックス・ピクチャーズ」公式サイト より

90年代にダンスミュージックをベースとしたJ-POPアーティストを多数ヒットに導いたことで一躍メジャーレコード会社として躍り出たエイベックス。その映像部門がエイベックス・ピクチャーズで、様々なレーベルを紆余曲折した後にアニメ・実写全般の映像作品を手掛けています。
エイベックスが手掛けるアニメ作品の音楽は、「ONE PIECE」(TVアニメシリーズ)や「頭文字D」といった一般向け作品から深夜アニメに至るまで幅広いですが、2020年春クールで言うと「かくしごと」のように、アニメ作品は製作するものの音楽は別会社が担当するケースも散見されるのがエイベックスには多いです(各クール1作品はある印象)。意外とその辺りは柔軟なのかもしれないですね。

作品対象
球詠OP・ED
キングダム(第3シリーズ)OP・ED
フルーツバスケット(2nd season)OP・ED
ざしきわらしのタタミちゃんTM
合計3.5

ビクター系(フライングドッグ含む)

FlyingDog
「FlyingDog」公式サイト より

日本のレコード会社の成り立ちとしては多いですが、音響機器メーカーである日本ビクターの音楽ソフト部門を担う形で誕生したビクターの、さらにアニメや映像コンテンツ部門を担っているのがフライングドッグです。ソニー同様、ビクター所属アーティストが一般のJ-POP、アニソン専属をフライングドッグと便宜上分けています。映像作品の製作もやっていますが、音楽制作のみ請け負っているケースも多いイメージです。

フライングドッグ(FlyingDog)

作品対象
アルテOP・ED
グレイプニルED
本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません(第二部)OP・ED
八男って、それはないでしょう!OP・ED
放課後ていぼう日誌OP・ED
攻殻機動隊 SAC_2045OP・ED
合計5.5

ビクターエンタテインメント

作品対象
メジャーセカンド 第2シリーズOP
合計0.5

ビクター系合計

レコード会社ポイント
フライングドッグ5.5
ビクターエンタテインメント0.5
合計6.0

キングレコード

KING AMUSEMENT CREATIVE
「KING AMUSEMENT CREATIVE」公式サイト より

講談社の音楽部門として発足したという歴史の長い会社。あと10年くらいで100周年を迎えますよ!
歴史が長いだけあり演歌や歌謡曲、クラシックや海外ロックなどに強い会社ではありますが、近年ではAKB48やももいろクローバーZのヒットなどで、不況が続く音楽業界において黒字続行中という磐石な経営体制であります。
アニソンで言うと、古参だったスターチャイルドレコードとアニメ・声優部門としての第三クリエイティブ本部が合体し、「キング・アミューズメント・クリエイティブ本部」となりました。
水樹奈々を筆頭とし、相変わらず声優アーティストに強いレーベルではありますが、スタチャ時代の主力だった声優アーティストの音楽活動縮小や離脱、アニメ製作本数の減少などで以前よりも少し元気がない気がして心配です…。

作品対象
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…OP・ED
ギャルと恐竜OP・ED
シャドウバースED
合計2.0

NBCユニバーサル

NBCユニバーサルミュージック
「NBCユニバーサル」公式サイト より

かつてのジェネオン・エンタテインメントが社名変更し、「NBCユニバーサル」となった同社。I’ve所属のアーティストの輩出など、2000年代~2010年代のアニソン市場を牽引していた会社の1社だと思いますが、社名変更の際にアーティストやスタッフがワーナー・ホーム・ビデオ(WHD)の音楽部門に移籍したこともあり、現在では少し存在感が薄くなったかなという印象です。

作品対象
グレイプニルOP
文豪とアルケミスト ~審判ノ歯車~OP・ED
合計1.5

ランティス

ランティス
「ランティス」公式サイト より

2000年以降のアニソンを語る上で外せないレーベルと言えば、やはりランティスですね。バンダイナムコが親会社ということもあり、豊富な映像作品と社長がロックバンド・LAZYの元メンバーという背景から多様なアーティストが所属するなど、隙のない布陣です。所謂深夜アニメ系の主題歌を2000年頃より担当していましたが、契機となったのはやはり2006年の「涼宮ハルヒの憂鬱」だったんじゃないかなと思います。この作品と、翌2007年の「らき☆すた」が作品・主題歌が深夜アニメの枠に収まらない大ヒットを記録したことで、アニソンシーンは新たなフェーズに入ったんじゃないかなと思います。
この頃からランティスは毎クール毎にかなりの作品の主題歌制作を担当しており、ソニー・フライングドッグなどとともに激増した深夜アニメの音楽面の受け皿として機能していたのではないかと。

実は本記事を制作したのは、何年もアニメ主題歌の変遷を見ている中で、「あれ?最近ランティスって担当作品数減って来た?」と思ったのが切欠です。本当に減ってきたのだとすると、これも一つの時代の流れかもしれません。その辺り検証できればいいなと。

作品対象
ULTRAMANOP・ED
啄木鳥探偵處OP・ED
食戟のソーマ 豪ノ皿OP・ED
天晴爛漫!OP・ED
アイドリッシュセブン Second BEAT!OP・ED
「バキ」大擂台編OP・ED
合計6.0

ブシロードミュージック

ブシロードミュージック
「ブシロードミュージック」公式サイト より

今元気あるなーと思うのが、ブシロードの音楽部門であるブシロードミュージックです。私はカードゲームは詳しくないのですが、「カードファイト!! ヴァンガード」「フューチャーカード バディファイト」などのキッズ向けトレーディングカードゲーム(TCG)を経て、音楽を含めたメディアミックス作品である「BanG Dream!」で大きく花開いた印象があります。またそこに至るまでの「ヴァイスシュヴァルツ」では数々の深夜アニメ作品をTCG化するなどしており、「ラブライブ!」の大ヒットが下敷きにあると思われる「BanG Dream!」も含め、2000年以降の深夜アニメ作品のヒットが一つの形として結実したような会社だなと思っています。※会社自体の成り立ちが、ブロッコリーの流れを汲んでいるというのもありますね。
そしてアニメ主題歌としては、それらTCGやメディアミックス作品をアニメ化した作品のみ、というかなり潔い、わかりやすい戦略でありますね。なので作品数は毎クール多くはありませんが、手堅い!というイメージです。

作品対象
アルゴナビス from BanG Dream! ANIMATIONOP・ED
カードファイト!! ヴァンガード外伝 イフ-if-OP・ED
合計2.0

日本コロムビア

日本コロムビア
「日本コロムビア」公式サイト より

ここもキングレコードに劣らず歴史が長いレコード会社ですね。というか、2010年に一足先に100周年を迎え、今年2020年は110周年ですよ!もはや日本コロムビアの歴史が日本の商業音楽の歴史と言っても過言ではないですね。
そしてアニメ主題歌ですが、こちらもかなり古くから手掛けており、「ドラえもん」などの子供向け・一般向け作品や今年は「魔進戦隊キラメイジャー」のスーパー戦隊シリーズ、昭和ライダーシリーズ(平成ライダーはエイベックスが担当)などの特撮作品、さらに深夜アニメ主題歌も担当するというマルチぶりです。派手ではないですが、堅実な作品を揃えている感じですね。

作品対象
もっと!まじめにふまじめ かいけつゾロリOP・ED
社長、バトルの時間です!OP・ED
デジモンアドベンチャー:OP・ED
合計3.0

ポニーキャニオン

ポニーキャニオン
「ポニーキャニオン」公式サイト より

フジテレビを代表とする、フジサンケイグループの音楽会社であるポニーキャニオン。フジテレビ系のアニメ作品が多いのかと思いきや、そんなことはなく満遍なく制作しているようです(むしろフジテレビ系はあまりアニメの放送がないので、必然的に他局のものが多くなりますね)。
キッズ向けや深夜アニメの主題歌も担当しているし、アニソンシンガーや声優アーティストも所属しているオールマイティと言える状況なのですが、レーベルとしての“色”を薄く感じてしまうのは何故なのでしょうか?

作品対象
トミカ絆合体 アースグランナーOP・ED
新サクラ大戦 the AnimationOP・ED
プリンセスコネクト!Re:DiveOP
合計2.5

DMM Music

DMM Music
「DMM Music」公式サイト より

とにかくいろんな事業に進出しているという印象のDMM。そんなDMMのアニメ制作部門がDMM picturesであり、音楽部門がDMM Musicになります。なお、DMM Musicはアミューズの音楽レーベル・A-Sketchとの合弁レーベルとのこと。
DMM picturesでのアニメ製作は2015年頃からスタートしていますが、DMM Musicでの音楽制作は2019年からで、ようやく今年頃からアニメ製作+音楽制作の両方を担当している作品が出てきています。今後に期待のレーベルですね。

作品対象
LISTENERS リスナーズOP・ED
合計1.0

TOHO animation RECORDS

TOHO animation
「TOHO animation」公式サイト より

映画会社大手の東宝のアニメレーベルとして発足したTOHO animation。同時に音楽レーベル「TOHO animation RECORDS」も発足し、2013年から本格的に制作がスタートしています。
発足当初は主題歌も「TOHO animation RECORDS」が担当することが多かったですが、近年は主題歌制作は他社が手掛けることが多いのかなと。「TOHO animation RECORDS」に所属する、複数クリエイターによるユニット・(K)NoW_NAMEがアーティストでは注目株ですね!

作品対象
BNA ビー・エヌ・エーOP・ED
合計1.0

マーベラス

マーベラス
「マーベラス」公式サイト より

ゲームやアニメ、さらに近年では舞台製作に力を入れているのがマーベラスです。決して多作ではないですが、2000年代以降堅実に作品を送り出しています。最近では深夜アニメ作品は減っているようですが、毎年新作が放送されるプリキュアシリーズや遊☆戯☆王シリーズを手掛けている限り、新しい作品が聴けるのは嬉しいですね。

作品対象
遊☆戯☆王SEVENSOP・ED
ミュークルドリーミーOP・ED
合計2.0

その他

ここには、インディーズレーベルや単発で手掛けたと思しきレーベルなど一括りにするのが難しいもの、イマイチどこから出てくるのかよくわからなかったものなどをとりあえずまとめています。

レーベル作品対象
継つぐももOP・ED
HIP LAND MUSICイエスタデイをうたってTM
ユニバーサルミュージックメジャーセカンド 第2シリーズED
俺の指で乱れろ。~閉店後二人きりのサロンで…~TM
A-SketchかくしごとOP
おばけずかんTM
のりものまん モービルランドのカークンOP
youthsource recordsデュエル・マスターズ キングED
困ったじいさんTM
みっちりわんこ!あにめ〜しょんTM
ベイブレードバースト スパーキングTM
爆丸アーマードアライアンスOP・ED

集計結果

各レコード会社毎のポイントを改めて集計してみました。やはりソニー強いですね。全体の25%を占めていることが今回わかりました。そしてビクター・ランティスも健闘しています。同じ老舗として、キング・NBCユニバーサルあたりにはもっと頑張って欲しいですね~。今後の注目株はDMM Musicですが、果たしてどこまで増えてくるでしょうか?それともこのまま1~2作品の少数精鋭だったりするのかな…。

レコード会社2020春ポイント2020冬ポイント
ソニーミュージック系13.09.0
ビクター系6.01.0
ランティス6.02.5
エイベックス系3.53.5
日本コロムビア3.02.0
ポニーキャニオン2.54.0
キングレコード2.01.5
ブシロードミュージック2.01.0
マーベラス2.01.0
NBCユニバーサル1.50.5
DMM Music1.01.0
TOHO animation RECORDS1.01.0
その他7.0
合計50.5

感想

作業自体はそこまでかからなかったですが、各レコード会社の寸評めいたコメントに思ったよりも時間かかっちゃいました。あと今期はコロナの影響もあって、作業している最中に「俺ガイル」3期や「ノー・ガンズ・ライフ」2期が放送延期になるなどこれまでになかった波乱がありました(これまでは放送途中で中断するとかはあったんですけどね)。

今回の記事が好評であれば、今後も違う切り口で集計してみたり、夏以降のクールでも定点分析的な記事を作ってみたいなと思うのでよろしくお願いします!かしこ

2020年4月13日2020春アニメ, コラム

Posted by matomebito